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宙ごはん  著:町田そのこ

小説
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宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。

厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。

二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。

宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。

待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。

代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。

花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。

ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。

その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。

どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。


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