ののの 著:太田靖久 小説 2021.12.11 小説 [本ページはプロモーションが含まれています] 曖昧な世界の境界線、簡単にはわかりあえない他者との関係を描き、「自由とは何か?」という問いを投げかける太田靖久の小説は、読者に「目を凝らし想像すること」を求めているかのようです。 すぐには全体が見渡せない不穏な作品世界の中を、一歩一歩想像しながら歩いていると、いつしか道が開け自由な場所へと導かれる。 そんな、自由で不自由な小説集です。 ▼ 詳しくはこちらから ▼ のののposted with ヨメレバ太田 靖久 書肆汽水域 2020年10月07日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto 紀伊國屋書店 かとむこ より: 2022年2月3日 09:33 自由を社会的に求めると不自由にならざるをえない時、今目の前で起こっている事の全てを、その瞬間に把握し続ける行為が必要になる。 太田靖久の小説『ののの』は謂わば何一つ失わずに生きてゆく為のハウツー本かのような横顔がある。 だが、この物語は絶対に正面からしか向き合わせてはもらえない。 それは、言葉、文章、会話、描写が 1滴の染みもない純文学の恐ろしさと愉悦に満ちてるからなのか。 繊細さは突き詰めるとある種の超能力じみた知覚を開く。 皆がそうであれば良い、と或いは作者は望むのだろうか? 高い木々が風で揺れている時、それを見上げている〈僕〉の場所は凪いでいる。 疑問のような、謎謎のような、啓示みたいな、審判と似た、価値観と正誤の狭間で会った事も無い男女が、 生きて、苦しんで、輝いている。 その曲線は丁寧で美しくて、最後のページの1文まで、見惚れた。 5.0 rating
自由を社会的に求めると不自由にならざるをえない時、今目の前で起こっている事の全てを、その瞬間に把握し続ける行為が必要になる。
太田靖久の小説『ののの』は謂わば何一つ失わずに生きてゆく為のハウツー本かのような横顔がある。
だが、この物語は絶対に正面からしか向き合わせてはもらえない。
それは、言葉、文章、会話、描写が
1滴の染みもない純文学の恐ろしさと愉悦に満ちてるからなのか。
繊細さは突き詰めるとある種の超能力じみた知覚を開く。
皆がそうであれば良い、と或いは作者は望むのだろうか?
高い木々が風で揺れている時、それを見上げている〈僕〉の場所は凪いでいる。
疑問のような、謎謎のような、啓示みたいな、審判と似た、価値観と正誤の狭間で会った事も無い男女が、
生きて、苦しんで、輝いている。
その曲線は丁寧で美しくて、最後のページの1文まで、見惚れた。