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代表取締役アイドル  著:小林泰三

小説
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握手会で起こった事件のせいで、アイドル活動ができなくなっていた河野ささら。

そこに降って湧いたのが、ある大企業からの社外取締役のオファー。

たまたまテレビを見ていた社長が、ちょっと気の利いた発言をしたささらを気に入って、思いついた起用だった。

その企業、レトロフューチュリア株式会社は、アンプ用の真空管や、テープレコーダーやカセットテープやビデオテープ用の磁気ヘッド、計算尺や手回し計算機の交換部品といった古い規格の製品の隙間産業で儲けていたが、ある大学で、学生が面白半分にレトロフューチュリア社製の真空管を極低温に冷やしたところ、それが量子ゲートとして作用することが発見され、原理はわからないが、とにかくレトロフューチュリア社製の真空管を使えば、今までより桁違いに安く、量子コンピュータが実現できると、この一点において、いっきに世界規模の大企業となった会社。

「目指せ、世界一」や「売上1兆円」というあり得ない目標も、イエスマンだらけの役員会では、社長の一声で決まってしまい、研究所では、データ改ざんは当たり前、逆らった社員には陰湿ないじめが待っている。

そんな会社で、お飾りにでなく、自分の頭で考えようとするささら。

敏腕美人秘書・菜々美とともに、ダメ会社の危機をささらは救えるのか?


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