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国宝  著:吉田修一

小説
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1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」

侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。

男の名は、立花喜久雄。

任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。

舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。

日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。

血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。

舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?


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