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君の話  著:三秋縋

小説
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二十歳の夏、僕は一度も出会ったことのない女の子と再会した。

架空の青春時代、架空の夏、架空の幼馴染。

夏凪灯花は記憶改変技術によって僕の脳に植えつけられた“義憶”の中だけの存在であり、実在しない人物のはずだった。

「君は、色んなことを忘れてるんだよ」と彼女は寂しげに笑う。

「でもね、それは多分、忘れる必要があったからなの」これは恋の話だ。

その恋は、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた。


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