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夜が明けたら 蒼井そら  著:藤原亜姫

小説
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「痛い! 痛い痛い痛いーっ! やめてください! もう……もうあたし、ムリです!!」

挿入シーンになるとあそこに激痛が走り、あたしの目の前に火花が爆ぜた。

そして結局、撮影は中断し顔射で終わることになった。

あたし、なんのためにこんなことしてるんだろう・・・

なんでこんなことしてるんだっけ・・・

一生消せない過去を抱えて、あたしはこれから生きて行く。消せないから、あたしはこう答えるんだ。  

「後悔はしてません。あたしはずっと陽でした。日の当たる場所でみんなに愛されて来ました。
悪い人はいませんでした。みんなみんな、いい人ばかりです。」

もし過去を否定すればあたしのこれまでの人生を、すべて間違いでしたと認めることになる。

認めれば、こんなにも懸命に生きてきた自分があまりにも惨めで、報われない。


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