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可燃物  著:米澤穂信

小説
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余計なことは喋らない。

上司から疎まれる。

部下にもよい上司とは思われていない。

しかし、捜査能力は卓越している。

葛警部だけに見えている世界がある。

群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。

群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。
現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。
犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。
その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。
犯人は何を使って“刺殺”したのか?
(「崖の下」)

榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。
単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。
なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか?
(「命の恩」)

太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。
県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。
犯行の動機は何か?
なぜ放火は止まったのか?
犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが。
(「可燃物」)

連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。


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