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アリアドネの声  著:井上真偽

小説
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事故で、救えるはずだった兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから災害救助用ドローンを扱うベンチャー企業に就職する。

業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。

ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。

それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)として活動する中川博美だった。

崩落と浸水で救助隊の進入は不可能。

およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。

ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。

無音の闇を彷徨う要救助者の女性と、過去に囚われた青年。

二人の暗闇に光は射すのか。


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