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エウロパの底から  著:入間人間

ライトノベル
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私は小説家だ。

そしてこれは私の小説だ。

私が心血を注いだ惨殺があり、私が身を削るように描いた苦悩がある。

文の始まりから果てまで、すべてが私だ。

事件は私の書いた小説の通りに起きていた。

犠牲者、殺害の方法、現場の描写。

すべてが私の描いた通りに。

私の見る『小説』通りに。

こんな殺し方ができるのは誰だ。

こんな小説が書けるのは、なぜだ。

警察も、被害者も、加害者も私を疑う。

『犯人』と決めつける。

だが私は『犯人』ではない。

私は、小説家なのだ。


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