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その手をにぎりたい  著:柚木麻子

小説
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八十年代。

都内で働いていた青子は、二十五歳で会社を辞め、栃木の実家へ帰る決意をする。

その日、彼女は送別会をかね、上司に連れられて銀座の高級鮨店のカウンターに座っていた。

彼女は、そのお店で衝撃を受ける。

そこでは、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べるのだ。

青子は、その味にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、と一念発起する。

そして東京に残ることを決めた。

お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。


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